ベルト蛇行にお困りの方

コンベヤベルトの
蛇行調整について

コンベヤベルトが左右にずれながら走行してしまう「蛇行」。
ベルトコンベヤを使用されているお客様から「なんとか解消できないか」と
数多くお問い合わせをいただく現象です。
蛇行がひどくなると、ベルトの端(耳)の部分が欠損したり、搬送物がこぼれたりして、
不要なメンテナンス費用や作業手間がかかることがあります。
このページでは、ベルトが蛇行した場合の調整方法を解説しております。
ページを印刷していただき、現場でマニュアルとしてお使いいただけるようになっておりますので、ぜひお役立てください。

ベルトコンベヤ各部の名称

プーリによる調整方法

ヘッドプーリでベルトがこのように片寄ったときには、プーリを印の方向に動かして修正する

テールプーリでベルトがこのように片寄ったときは、プーリを印の方向に動かして修正する。

スクリューテークアップの調整

ロックナットをゆるめてからロッド
先端角部をボックススパナ又はモンキーレンチにて、右又は左にまわす。
調整後はロックナットをよく締付けておくこと。
走行調整の際は、一度に90°程度まわし、しばらくベルトの蛇行状況をみて更にまたまわす。

強制ローラー及び応用品

A型押さえリターンアイドラ

■特 徴
リターン側ベルトの蛇行をベルト張力と摩擦力を利用して修正します。
取付が比較的容易であり、ベルト裏面にアイドラが接する構造なのでアイドラが汚れません。
可逆コンベヤにも使用することができます。

逆押え自動調芯リターンアイドラ(テーパー型)T型

■用 途
リターン側ベルトの蛇行調整に用います。一般リターンアイドラの間に設置してください。

■特 徴
1.フリクション量を上下の据付調整位置により修正可能である為、調整能力が高い。
2.リターンベルトの曲がりぐせと合致したローラ角度の為、均等接触して安定したフリクション量が得られる為、調整力がアッ プします。
3.ローラ面がベルトの裏面に接触する為、ベルト付着物が水分などの悪影響をうけにくい為、スリップ異状が起こりにくく、ローラは長寿命である。

設置

クラウン加工と前傾ローラー

●プーリのクラウン加工について
クラウン加工とは、蛇行防止のために、プーリの中央を少し高くすることを指す。
通常、プーリには、肉厚の鋼管を用いて旋盤加工により、施される場合が多い。

●テールプーリの中央ライニング
ガス管を加工なしでプーリとして使用する場合は、ゴム板をライニングして中間部を高くして、蛇行を防止する方法をとる。

●前傾ローラーを使用する

キャリアローラーを前傾し蛇行を防止する方法
ベルトが常にプーリの中央にくる様にクラウンをつけるのと全く同じ意味であります。
キャリアローラを倒すには両側の支柱の後方にスペーサを充填することで足りますが、
余り倒しすぎるとベルトがローラで必要以上に磨耗することになります。
キャリアローラの高さを3〜5mm以上動かしてはいけません。

スタンドには、あらかじめ前傾(2°) させた物もある。

特殊前傾キャリアアイドラ
Special Forward-Leaning Carrier Idler

ローラーによる調整方法

■キャリヤローラーの位置修正
ボルトナットを少しゆるめてからハンマーでキャリヤベットの基部を軽くたたいてやる。

ボルトナットをたたかぬよう注意。
修正が終わったらボルトナットをよく締付けておくこと。

■リタンローラーの位置修正
ボルトナットを少しゆるめたら、ハンマーでリタンハンガの基部を軽くたたいてやる。
修正が終ったらボルトナットをよく締付けておくこと。

キャリヤ側でベルトがこのように片寄ったときはキャリヤベッドを 印の方向に動かして修正する。

リタン側でベルトがこのように片寄ったときは、リタンハンガ(又はリタンベッド・リタンスタンド)を印の方向に動かして修正する。

この図と反対側にベルトが片寄ったときは印の反対方向に 動かして修正する。いずれも上から下を見た平面図である。

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